ディハルト・クラウスの日記 ○月○日 明日はいよいよ叙任式だ。 ウィリアム公爵のうるさいお小言も、ジェリオールのイジメの様なしごきも終わる。 この6年、本当によくやったよな。と、我ながら思う。 しかし、地下祭壇の前で一晩すごすなんて‥‥暇だ。 ○月△日 今、俺はラフェルにいる。 なんと帝国に浮遊城を落とされてしまったのだ。 おまけにウィリアム卿は殺されるし、ジェリオールも瀕死の重傷。 女どもはうろたえるだけだし、本当、今回は疲れた。ジェリオールは重いし。 とにかく、自分の命があっただけよしとするか。 そう言えば、王都ラーカシアに残してきた両親はどうなっているだろう? 結局、俺の叙任式にも来てくれなかった。 ひょっとして外交官の仕事で、王都を離れられなかったのだろうか? どちらにしろ、息子の晴れの舞台に来なかったことだけは、忘れるまい。 ○月*日 本当にどうなってしまったんだ? 同盟国のバーラルまで攻めてくるなんて。 それにウィルダー王のあの変わりよう‥‥。 ウィルダー王はよくお菓子をくれたし、フレア姫も可愛かったし、 バーラルと敵対関係になったことは非常に悲しい。 とにかく、手持ちがなくなる前に叔父、レイモンド子爵のもとにたどりつかなきゃ。 ×月○日 やっとレイモンド子爵の家に着いた。 ベッドで眠れるなんて久しぶりだ。 女どものお守からも解放される。 今夜はいい夢が見れそうだ。 △月¥日 レイモンド子爵の使用人らを使って兵を募る。 俺は素性がばれているため、外へは出られない。 しかたないので庭で剣術の稽古をする。 俺が剣を振っていると、ティアリスがやってきて側で魔法の本を読みはじめた。 最近はウィリアム卿の死から立ち直りつつあるようだ。 $月*日 初めてルインと剣の手合わせをした。 生意気な事に、かなりの腕だ。あれで実戦経験がないんだから、末恐ろしい。 負けはしなかったが、おかげで身体中、傷だらけだ。 $月○日 昨夜からの豪雨のため、今日の剣術の練習は中止。 久々にティアリスをからかって遊ぶ。 するとルインが俺を睨んでいた。 もしかして、ルインはティアリスに気がある‥‥? 今度はルインをからかって遊ぼうと思う。 *月&日 まったく、ティアリスめ! 冗談でもやっていい事と、悪い事があるぞ! こともあろうに、俺を相手に魔法の練習をしやがった! まだ不完全だったから良かったものの、おかげで背中にやけどを負った。 しばらくはうつ伏せに眠らなきゃ‥‥。 *月*日 兵が集まったので、作戦を進言する。 レイモンド卿に別動隊の司令官を命じられた。 みんなの手前驚いたふりをしたが、俺が命じられるのは当然だろう。 ティアリスは問題外だし、ルインも正騎士の称号を持っていないんだからな。 ‥‥‥おっといけない。あまりの嬉しさに悦に入ってしまった。 明日は早いから、もう寝よう。 *月△日 ここのところ日記を書く暇がなかった。現在はトーランド男爵家へ向かっているところだ。 これまでの事を説明すると、レイモンド卿の下を旅だった俺達は、 ランシュ村で、剣豪ギルバートを仲間にした。ギルバートは何か暗いオヤジだ。 年下の俺の言葉にも素直に従ってくれるが、それが逆に恐い。何かを企んでる? それから、ピエールとリファニーが仲間になった。 ピエールはほうっておいて、貴族の娘リファニーが仲間になったのは良いことだ。 魔法が使え、かなりの美人。左目の下にホクロがあるが、泣き上戸なのだろうか? 後は、男爵の娘さんのルナも要チェックだ。 ?月○日 トーランド男爵家に着いた。 男爵が病気のため、ルナが仲間になった。やっほーーっ! 今まで、修業、修業で、まともに女の人と一緒にいる機会が少なかったからなぁ。 ああ、本当に生きてて良かった‥‥。
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